アプリ保守・運用の違いは?年間の維持費や保守契約時の注意点を解説

「アプリ運用とアプリ保守の違いは?」
「アプリ運用・保守を外部委託するメリット・デメリットは?」

という疑問をお持ちではありませんか?

本記事では、そんな疑問の解決に役立つ内容を
・アプリ運用とアプリ保守の違い
・アプリ運用・保守に必要な費用相場
・アプリ運用・保守を外部委託するメリットとデメリット
の順番に解説していきます。

アプリ運用・保守を行うためには、専門的な知識が必要です。
外部委託を検討している企業の担当者は、依頼時の注意点について理解しておきましょう。

また、当社では2025年の11月12日(水)に「システムの引き継ぎに失敗しないための本」を出版します。

長年の経験から体系化したシステム引継ぎのノウハウをまとめており、引継ぎに関する役立つ情報を惜しみなく掲載しているためぜひ参考にしてみてください。

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目次


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アプリ運用とアプリ保守の違い

項目 アプリ運用 アプリ保守
目的 アプリの安定稼働と価値向上 システムの正常な状態の維持・回復
主な業務 サーバー監視、問い合わせ対応、データ更新、プロモーション企画 障害対応、不具合修正、OSアップデート対応、セキュリティ対策

アプリ運用とアプリ保守では、目的と役割が明確に異なります。

アプリ運用とは、リリースされたアプリがユーザーにとって常に快適に利用できる状態を維持し、その価値を高めていくことを指します。

例えば、サーバーの監視やユーザーからの問い合わせ対応といった日々のオペレーションに加え、利用状況を分析し、改善施策を企画することも含まれます。

一方で、アプリ保守は、システムの不具合や障害発生時に原因を特定し、迅速に復旧させるような作業を指します。

アプリ保守では、予期せぬトラブルからシステムを保護し、安定的な稼働を支えるための重要な役割を担います。

アプリ運用とは?

アプリ運用とは、公開済みのアプリを安定的に稼働させるために、システム管理やオペレーションを実施することです。

アプリは、リリースすれば終わりという訳ではありません。

ユーザーがいつでもアプリを快適に使用できるように、システムを動かし続ける必要があります。

そのため、アプリ運用はシステムを動かし続けるための、「オペレーション」の業務に従事します。

アプリ運用の作業内容

アプリ運用の具体的な作業内容は、以下の通りです。

ユーザーからの問い合わせ対応

アプリ運用の主要な仕事は、既存ユーザーからの問い合わせ対応です。

例えば、アプリの一部がうまく動かない場合など、特定の機能についての質問が多く寄せられます。

人気のあるアプリでは、毎日多くの問い合わせがあり、その都度それぞれの事象が再現するかどうかを確認し、適切な回答をするために社内の関連部門と調整を行います。

アプリのプロモーション戦略の作成と実行

アプリの新規ユーザーを増やすためには、プロモーションが欠かせません。

ただプロモーションと言ってもさまざまなものがあります。

  • ・SNS広告:Facebook、Instagram、Twitterなどのソーシャルメディアで広告を掲載し、ターゲットユーザーにアプローチします。
  • ・インフルエンサーマーケティング:人気のインフルエンサーにアプリを紹介してもらうことで、広範囲にリーチします。
  • ・コンテンツマーケティング:ブログ記事や動画コンテンツを作成し、アプリの使い方や利点を紹介します。
  • ・クロスプロモーション:他のアプリやサービスと提携して、お互いのユーザー層にリーチします。

 

新規ユーザーを獲得するために、どのプロモーションが効果的かを検討し、実行します。

選定したプロモーションが最大限の効果を発揮するように、フォローアップを行い、継続的な改善を図ります。

アプリのユーザー要望のとりまとめや新機能の企画

アプリを継続的に成長させるためには、お問い合わせから頂いた既存ユーザーの要望を取りまとめ、新機能を企画することが重要です。

問い合わせ対応やプロモーションを通じてユーザーと接点を持つことも重要ですが、フィードバックを収集してアプリ自体の魅力を向上させることが求められます。

これらの作業を通じて、アプリの利用者満足度を高め、継続的なユーザーの増加を目指します。

インフラ運用との違い

項目 アプリ運用 インフラ運用
管理対象 アプリケーションそのもの サーバー、ネットワーク、OS、ミドルウェアなど
目的 アプリケーションの安定稼働とサービス継続 ITインフラ全体の安定稼働と性能維持
主な業務 アプリの監視、データ管理、コンテンツ更新 サーバー構築・設定、リソース監視、セキュリティ管理、バックアップ

アプリ運用がアプリケーション自体を管理対象とするのに対し、インフラ運用は、そのアプリケーションが動作する土台となるインフラを管理します。

具体的には、サーバーやネットワーク、OSといったハードウェアやソフトウェアが常に正常に稼働するように監視・維持することがインフラ運用の主な業務です。

例えるなら、快適に生活するための家具や家電の使い方を考えるのが「アプリ運用」です。

一方で、家そのものや電気・ガス・水道といったインフラを維持管理するのが「インフラ運用」と考えると、その役割の違いがわかりやすいでしょう。

アプリ保守とは?

アプリ保守とは、プログラムやシステムに不具合・トラブルが生じた際に対応したり、機能を管理したりすることです。

システムトラブルが発生した場合、トラブルの原因を追求し、早く復旧することが期待されます。

また、トラブルの再発防止や機能性向上のために、機能を追加・変更・削除することもあります。

システムトラブルによりアプリを使用できない状態が続くと、ユーザーの信頼を失ってしまうため、アプリ保守は重要な役割を担っていると言えるでしょう。

アプリ保守の作業内容

以下で、アプリ保守の作業内容を詳しく確認していきましょう。

不具合の原因究明・復旧

プログラムやシステムにトラブルが生じた際に、原因究明や復旧を行うのはアプリ保守の役割です。

スピーディーにトラブルシューティングできないと、アプリの運営元に対する信頼度が低下してしまいます。

そのため、迅速にトラブルに対応できるような体制を整えることがアプリ保守には求められます。

アプリのアップデート

アプリ保守はトラブルの再発を防ぐために、アプリのアップデートを行います。

ユーザーからのフィードバックを元にアップデートを行うこともあります。

ただ、OSやSDKのアップデートに関しては、提供元の事情により対応する内容が大きく変わるため、アプリ保守が対応するケースは少ないです。

アプリの機能追加

ユーザーからのフィードバックや市場のニーズに応じて、既存のアプリに新しい機能を組み込む作業があります。

新規機能の設計、開発、テストを行い、バグの修正やパフォーマンスの最適化を行います。

また、リリース後のユーザビリティテストやフィードバック収集を通じて、機能の改良を繰り返します。

これにより、アプリの価値向上とユーザー満足度の向上を目指します。

アプリ運用とアプリ保守の違い

アプリ運用とアプリ保守の違いを以下の表にまとめました。

  アプリ運用 アプリ保守
目的 アプリのユーザー獲得のためのフローをまわすこと アプリが不安定な場合、安定的に稼働するように復旧すること
仕事内容 アプリのオペレーション システムの改善・機能の更新

目的の違い

アプリ運用の目的は「アプリのユーザー獲得のためのフローをまわすこと」であるのに対し、アプリ保守の目的は「アプリが不安定な場合、安定的に稼働するように復旧すること」です。

アプリ運用が「業務的な視点」が重要である一方で、アプリ保守には「システム的な視点」が求められます。

具体的には、アプリ運用は、ユーザーの固定化や新規ユーザーの獲得のために、システムのダウンタイムを最小限に抑え、ユーザーがアプリケーションを常に利用できる状態を維持することが求められます。

一方、アプリ保守では、バグの修正、新機能の追加、セキュリティ対策の強化などを通じて、アプリケーションの品質を継続的に向上させることが目的です。

仕事内容の違い

アプリ運用の主な仕事内容は「アプリのオペレーション」です。

一方、アプリ保守の主な仕事内容は「システムの改善・機能の更新」です。

簡単に説明すると、システムに改善・改変を加えずユーザー獲得や新機能の企画に注力し、オペレーションを回すのがアプリ運用で、システムに改善・改変を加えるのがアプリ保守です。

例えば、アプリ運用は、プロモーション戦略の作成と実行、新機能の企画、ユーザーからの問い合わせ対応などを行います。

一方、アプリ保守では、システムの監視ツールを使用してパフォーマンスデータを収集・分析し、異常が発生した場合には迅速に対応します。

また、ユーザーからのフィードバックや市場のニーズに基づいて、既存の機能を改善したり、新しい機能を追加したりします。

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アプリ運用・保守に必要な費用相場

それでは、アプリ運用・保守にはどれくらいの費用がかかるのでしょうか?

以下で、費用相場を紹介します。

サーバー・ドメインの費用

アプリのシステムを維持するためには、サーバーやドメインなどのインフラを利用する必要があります。

サーバーとは、ネットワークを通じてサービスを提供するためのコンピューターのことです。

ドメインとは、インターネット上の住所を意味します。

サーバーには1ヵ月あたり「数万〜数十万円」程度、ドメインには年間で「数千〜数万円」程度のコストがかかります。

アップデートの費用

アプリのアップデートにもコストがかかります。

大掛かりなアップデートであれば、数百万円程度の費用を要することもあります。

例えば、iOSやAndroidは定期的に新しいバージョンが公開されます。

新しいバージョンにアプリを対応させるためには、アプリの全面的なアップデートが必要となるのです。

トラブル対応の費用

アプリ運用・保守においては、トラブルシューティングの際にコストが発生します。

アプリの日常的な監視費用には、1ヵ月あたり「数千〜数万円」程度かかるでしょう。

また、システムトラブルへの対応費用は1ヵ月あたり「数十万円」程度です。

さらに、ユーザー数が多いアプリの場合、トラブルの内容によっては1ヵ月あたり「100万円」以上のコストがかかります。

機能追加の費用

アプリ保守において、システムに機能を追加・アップデートする際にも費用がかかります。

機能の内容にもよりますが、機能の追加にかかる費用は「数十万〜数百万円」程度です。

アプリのユーザー数が増加し、ユーザーからの要望が増えると、機能追加にかかる費用も大きくなります。

このように、アプリ運用・保守にはさまざまなコストが発生します。

以下で、アプリ運用・保守を外部委託するメリットとデメリットについて確認していきましょう。

アプリ運用・保守を外部に委託するメリットとデメリット

ここでは、アプリ運用・保守を外部委託するメリットとデメリットを説明します。

メリット デメリット
専門知識や高度な技術を活用できる 意思疎通に時間や手間がかかる可能性がある
社内リソースをコア業務に集中できる 委託先によって品質が左右される

メリット

専門知識を有している

外部の専門業者は、アプリ運用・保守に特化した高度な知識と技術を持っています。

自社にIT人材が不足している場合、外部の力を借りることで効率的にアプリ運用・保守を進められます。

また、最新の技術動向やトラブルシューティングを熟知しており、迅速かつ効果的に問題を解決することができるでしょう。

セキュリティやシステムについて専門的な知識をもつ代行業者であれば、すぐにトラブルに対処できる可能性が高いです。

リソースを最適化できる

アプリ保守を外部委託することで、内部リソースを最適化できます。

専門知識を持つ外部パートナーに任せることで、社内の担当者は新規プロジェクトやコア業務に専念でき、生産性が向上します。

また、外部の専門家による最新の技術やベストプラクティスの導入が可能となり、アプリの品質とパフォーマンスが向上します。

これにより、企業は効率的にリソースを活用し、業務全体のパフォーマンスを高めることができるでしょう。

デメリット

コミュニケーションコストが発生する可能性がある

コミュニケーションコストとは、情報の意思疎通に必要な労力や時間のことです。

アプリ運用・保守に関して何かしらの希望があって対応を依頼する際も、メールや電話などでコンタクトを取る必要があります。

タイミングによってはすぐに対応してもらえない可能性もあり、意思疎通に時間がかかってしまうこともあるようです。

委託先によって品質が異なる可能性がある

代行業者の技術力にはバラつきがあります。

しっかりと実力を見極めて依頼しないと、希望通りの品質レベルで納品してもらえない可能性もあります。

代行業者に依頼する際は、これまでの実績を確認することが大切です。

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アプリ運用・保守に関するよくある質問

ここでは、アプリ運用・保守に関するよくある質問をご紹介します。

年間でかかるアプリの維持費はどのくらい?

アプリの年間維持費は、その規模や機能によって大きく異なります。

一般的には、初期開発費用の15%程度が目安とされています。

主な内訳としては、サーバー・ドメイン費用、OSアップデート対応や不具合修正といった保守費用、そしてApp StoreやGoogle Playのアカウント登録更新料などが挙げられます。

小規模なアプリであれば年間で数10万円程度の維持費ですが、機能が複雑でユーザー数が多いアプリの場合は、年間数100万円以上になることも珍しくありません。

アプリのサーバー費用はユーザー数により異なる?

前述で触れたように、アプリのサーバー費用はユーザー数に大きく影響されます。

ユーザーが増えると、アプリへの同時アクセス数やデータ通信量が増加するため、より高性能なサーバーや、複数のサーバーで負荷の分散を行う構成が必要になります。

特に、利用量に応じて料金が変わる従量課金制のクラウドサーバーを利用している場合、ユーザー数の増減が直接費用に反映されます。

将来のユーザー増加を見越したサーバー選びが、コスト管理の重要なポイントです。

アプリの保守契約をする際の注意点は?

アプリの保守契約を結ぶ際は、まず「保守業務の範囲」を明確にすることが重要です。

障害発生時の対応はもちろん、OSのアップデートへの対応や軽微な修正作業が契約に含まれるのか、追加費用が発生するのかなどを書面で具体的に確認しましょう。

また、障害発生時の対応時間や復旧目標などを定めたSLA(サービス品質保証)の内容や、緊急時の連絡体制、報告の頻度なども事前にしっかりと確認しておくことが重要です。

双方の認識を合わせておくことが、後のトラブルを避けることにつながります。

アプリ運用・保守を外部委託する際のポイント

アプリ運用・保守を外部委託する際に、注意すべきポイントがいくつかあります。

委託の対象範囲を確認する

外部委託する場合、対応してもらえる範囲を確認しておきましょう。

対象範囲において認識に齟齬があり、自社で一部対応する必要が生じてしまうためです。

後からも確認できるように、書面などで対象範囲を記載してもらうと良いでしょう。

セキュリティ対策はしっかりしているか確認する

セキュリティ対策では、まず顧客データや機密情報の保護が最優先です。

委託先にはデータ保護ポリシーを遵守させ、暗号化やバックアップの実施状況について確認しましょう。

また、委託先からの運用・保守報告書を定期的に受け取り、セキュリティ状況を常に把握することが重要です。

コミュニケーションがしっかりとれるか確認する

アプリ運用保守を外部委託する際、委託先としっかりとコミュニケーションが取れるかを確認することは非常に重要です。

円滑なコミュニケーションは、運用・保守の際に起こるトラブルや問題解決を迅速に行うための鍵となります。

定期的なミーティングや報告の頻度、対応速度、意見交換のしやすさなどを事前に確認し、双方の期待と要件が明確に伝わる体制を整えましょう。

適切なコミュニケーションツールやプロジェクト管理ツールを導入することで、情報共有をスムーズにし、運用保守の品質向上につなげることができます。

実績豊富な会社に依頼する

外部委託する業者を選ぶ際は、実績豊富な会社を選ぶと良いでしょう。

これまでどのような案件を担当しているか、ユーザーからの満足度はどれくらいかなど、実績について確認しておくことをおすすめします。

実績豊富な会社は、多様な状況に対応する経験があり、トラブル発生時にも迅速かつ的確な対応が期待できるでしょう。

アプリ保守ならフェアシステムへ

今回の記事では、アプリ保守を外部に依頼しようか悩んでいる担当者に向けて、アプリ運用・保守の基礎知識や、費用相場、外部委託するメリットとデメリットについて解説しました。

フェアシステムはアプリ保守の代行サービスを展開しています。

他社が開発したアプリやシステムの解析を得意としているため、トラブルが発生した際にも迅速に対応することができます。

さまざまな規模・業界のアプリ保守の実績があり、コミュニケーションの取りやすさも評価され、リピートをいただくことが多いです。

アプリ保守を外部委託することで、内部リソースを最適化することができ、社内のチームは新規ユーザー獲得といったアプリ運用に集中することができます。

外部に委託することに不安を感じている方や、現在の委託先からアプリ保守業務を変更したい方はぜひフェアシステムへお問い合わせください。

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