WordPressを引継ぎ(サーバー移行)する手順や注意点について解説

「「WordPressの引継ぎ手順とは?」
「プラグインなしでWordPressのデータを移行できる?」

という疑問をお持ちではありませんか?

本記事では、そんな疑問の解決に役立つ内容を
・WordPressを別のサーバーへ引継ぎすべき理由や具体的な方法
・WordPressを別のサーバーへ引継ぎする手順や注意点
・WordPressの引継ぎに関するよくある質問
の順番に解説していきます。

SEO対策やコスト削減など、WordPressを引継ぐ目的を明確にした上で、移行作業を進めることが大切です。

目次


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WordPressを別のサーバーへ引継ぎする理由

WordPressを新しいサーバーに移行する・移行すべき主な理由に下記の3点が挙げられます。

  • ・サイトが重いため、もっと速くしたい
  • ・毎月の費用を抑えたい
  • ・今のサーバーが古くなってきた・不安がある

WordPressを別のサーバーへ引継ぎする主な動機は、「より快適に、より安全に、そして費用を最適化したい」という3点に集約されます。

ユーザーにストレスなくサイトを見てもらうために表示速度の改善を図ったり、個人情報などを守るためにセキュリティを強化したりします。

また、サイトの成長に合わせて適切な価格と機能を持つ新しいサーバーに乗り換えることで、WordPressサイトを長く、安心して運営し続けることができます。

WordPressを別のサーバーへ引継ぐ方法

WordPressを別のサーバーへ引継ぐ方法は、①自社で行う方法と、②代行業者に依頼する方法に分けられます。

以下で、それぞれの方法について詳しく確認していきましょう。

自社で行う

自社でWordpressを別のサーバーへ引継ぎを行う場合、「プラグインを使用する方法」と「手動で行う方法」の2つに分けられます。

プラグインを使用する方法

これは、DuplicatorやAll-in-One WP Migrationといった専用の移行用プラグインを利用することが最も一般的な方法です。

【ポイント】

  • ・プラグインを旧サーバーと新サーバーの両方にインストールする。
  • ・旧サーバー側でサイト全体(データベースとファイル)を一つのパッケージファイルとしてエクスポートする。
  • ・新サーバー側でそのパッケージファイルをインポートすることで、簡単にサイトを再現できる。

メリットとして、専門知識を必要とせず、作業時間を大幅に短縮できることが挙げられます。

一方、デメリットとして、大容量のサイトの場合、無料版では容量制限となる場合があります。

また、プラグインが原因でサーバー環境によってはエラーが発生することもあります。

手動で行う方法

プラグインを使わず、FTPソフトとデータベース管理ツール(phpMyAdminなど)を利用して、ファイルとデータを個別に移行させる方法です。

【ポイント】

  • ・旧サーバーから、サイトのファイル一式(/wp-contentなど)をFTPでダウンロードする。
  • ・データベースをエクスポートし、新サーバーのデータベースにインポートする。
  • ・wp-config.phpファイル内のデータベース接続情報を新サーバーに合わせて書き換え、さらにデータベース内のURL情報も新しいドメインに合わせて一括置換する。

メリットとして、 サーバー容量や環境に依存せず、確実な移行が可能です。

サイト構造を理解する良い機会にもなるでしょう。

一方、デメリットとして、データベース操作やファイル構造に関する専門知識(SQLなど)が必須となり、誤った操作はサイト破損に直結するリスクがあります。

また、作業工数が多く、時間もかかります。

自社で移転を行う際は、手軽で迅速なプラグイン方式か、確実性を重視した手動方式か、自社のスキルレベルとサイト規模に応じて選択することが重要と言えるでしょう。

代行業者に依頼する

WordPressを新しいサーバーに引継ぐ際に、代行業者に依頼することも可能です。

サーバー移行の他にも、新規ドメインの取得やサーバーの選定などにも対応している代行業者が多く、手続きにかかる手間を省くことができます。

もちろん、代行業者を利用する場合はコストがかかりますが、専門知識を備えたプロが対応してくれるため、セキュリティ面でも安心です。

【プラグインを使う場合】Wordpressを別のサーバーへ引継する手順

プラグインを使った移転は、専門知識が少なくても簡単かつ迅速にサイトを移行できるため、多く人が利用する方法です。

おすすめプラグインを紹介

プラグイン名 特徴 無料版の制限
All-in-One WP Migration 直感的で簡単。移行ファイル(.wpress)をアップロードするだけで完結する。 ファイル容量制限あり(約500MB~1GB)。大きなサイトは有料版必須。
Duplicator サイト全体を**ひとつのパッケージ(Installerファイル+ZIPファイル)**にまとめる。 無料版でも比較的大容量に対応しやすいが、手順がやや複雑。
UpdraftPlus 主にバックアップ用途だが、バックアップファイルを使って別環境への復元(移行)も可能。 無料版で十分な機能を持つが、別サーバーへの移行にはアドオン(有料)が必要な場合がある。

無料版では、サイトの規模が大きくなる(メディアファイルが多いなど)と容量オーバーで移行できないケースが多くなります。

有料版へのアップグレードが必要か、または手動での移行を検討する必要があります。

プラグインの移行で失敗しやすいポイント

プラグインでの移行は手軽ですが、主に3つのリスクがあります。

  • ・無料版プラグインではサイトのサイズによる容量オーバーでインポートができない。
  • ・新旧サーバー間でPHPバージョンが一致しないと、サイトが正常に動作しない。
  • ・大規模サイトでインポート処理中にサーバーが停止するタイムアウトが発生する。

これらの問題を避けるため、事前に容量とPHPバージョンを確認し、必要に応じて有料版の利用や手動移行を検討する必要があります。

プラグインを使った移行手順

下記にプラグインを使った移行手順を紹介します。

現サイトでエクスポート(バックアップ)

まず、現在稼働しているWordPressサイト(旧サーバー)に移行用プラグインをインストールして有効化します。

プラグインの設定画面に進み、サイト全体(データベース、テーマ、プラグイン、メディアファイルを含むすべて)をエクスポート(バックアップ)する操作を実行します。

この操作によって生成されたパッケージファイル(.wpressやZIP形式)を、必ずご自身のPCなどのローカル環境にダウンロードして保存します。

新サーバーでWordPressをインストール

次に、移行先の新しいレンタルサーバーを契約し、サイトをテストするためのドメインまたはサブドメインを設定します。

サーバーの管理画面にあるWordPressの自動インストール機能を使って、中身が空っぽの新しいWordPressサイトを構築します。

この時点では、旧サイトと同じログイン情報を使わなくても問題ありません。

プラグインでインポート

新サーバーにインストールした新しいWordPressにログインし、旧サイトと同じ移行プラグインをインストールし、有効化します。

プラグインのインポート画面から、先にダウンロードしておいたパッケージファイルを選択してアップロード(インポート)します。

この処理が完了すると、新サーバーの新しいWordPressは、旧サイトの内容(記事、画像、設定など)に完全に上書きされ、移行前の状態を再現します。

動作確認・ドメイン設定・SSL設定

インポート完了後、まずはhostsファイルを編集するか、新サーバーが提供する一時URLを利用して、サイトが正しく表示されるかを確認します。

サイト全体の見た目、各機能、内部リンクに問題がないかを徹底的にチェックします。

問題がなければ、ドメイン管理会社の設定画面に進み、ネームサーバーを新しいサーバーのものに切り替える作業を行います。

これによって、サイトへのアクセスが新サーバーへ誘導されるようになります。

最後に、新サーバー側でSSL証明書を発行・設定し、サイト全体が「https」で安全に表示されていることを確認します。

問題なければ旧サーバーを解約

ネームサーバーの切り替えには半日~1日程度の時間がかかることがあるため、サイトへのアクセスが完全に新サーバーへ切り替わったことを確認します。

その後、切り替えから1週間程度様子を見て、新サーバーでの運用に何も問題がないと判断できたら、旧サーバーの契約を正式に解約します。

【プラグインなし(手動)で行う場合】WordPressを別のサーバーへ引継ぎする手順

WordPressをプラグインを使わずに手動で移行する方法は、FTPソフトとデータベース管理ツール(phpMyAdminなど)を駆使する、より確実で上級者向けの手順です。

この方法なら、サイト規模やプラグインの容量制限に縛られずに移転が可能です。

  1. 1.現在のサイトのバックアップを行う
  2. 2.新サーバーを契約する
  3. 3.新サーバーでドメイン設定をする
  4. 4.データを移行する
  5. 5.旧サーバーを解約する

以下で、各ステップについて詳しく解説します。

1. 現在のサイトのバックアップを行う

まずは、万が一のトラブルに備え、現在のサイトのバックアップを取ることが重要です。

手動移行では、サイトの構成ファイルとデータベースの2種類を取得します。

ファイルバックアップ: FTPソフト(FileZillaなど)を使用し、旧サーバーからWordPressの全ファイル(特にwp-contentフォルダ、テーマ、プラグインなど)をダウンロードします。

データベースバックアップ: サーバー管理画面のphpMyAdminなどのツールを使い、WordPressが使用しているデータベース全体をSQL形式のダンプファイルとしてエクスポート(ダウンロード)します。

バックアッププラグインの活用: 「BackWPup」などのプラグインは、自動バックアップや外部ストレージへの保存機能が充実しているため、万が一の保険用として利用すると安心です。

2. 新サーバーを契約する

移行作業に着手する前に、新しいサーバーとの契約を完了させます。

例えば、ロリポップやエックスサーバー、ConoHa WINGなど、自社のサイト規模や予算にあったサーバーを選びます。

自社にあったサーバーを選ぶためには、表示速度に関わる性能(CPU/メモリ)や障害時の対応を含むサポート体制、運用年数や登録サイト数といった信頼性を重点的にチェックしましょう。

3. 新サーバーでドメイン設定をする

新しいサーバーとの契約が完了したら、続いてドメインを設定します。

ドメインとは、「インターネットにおける住所」のことです。

ホームページを表示する際などに使用する​​「〇〇.△△.ne.jp」がドメインに該当します。

サーバーの管理画面からドメインを設定できることが多いです。

メールアドレスとドメインをあわせて分かりやすくしている企業も多く見受けられます。

現在利用しているドメイン(例:〇〇.△△.ne.jp)を設定します。

4. データを移行する

サーバーとドメインの設定が完了したら、いよいよファイルとデータベースのデータを新サーバーへ移行します。

①ファイルのアップロードと設定ファイルの書き換え

旧サーバーからダウンロードしておいたWordPressのファイル一式を、FTPソフトを使って新サーバーの公開ディレクトリ(例:/public_html)にアップロードします。

このままではデータベースに接続できないため、wp-config.phpファイルをテキストエディタで開き、新サーバーのデータベース情報(データベース名、ユーザー名、パスワード、ホスト名)に合わせて内容を書き換えます。

②データベースのインポートとURLの置換

新サーバーのphpMyAdminなどのツールにアクセスし、新しい空のデータベースを作成します。
そこに、手順1で取得した旧サーバーのダンプファイル(.sql)をインポートします。

データベース内の情報には、旧サイトのURL情報(例:http://old-domain.com)が残っているため、このURLを新ドメインに合わせて一括置換する作業を行います。

この作業を忘れると、画像が正しく表示されないなどの不具合が発生します。

③ 動作確認とSSL設定

データの移行が完了したら、hostsファイルの編集などを行い、一般ユーザーには影響を与えず、自分だけが新サーバー上のサイトを見られる状態にして、サイトの表示や全機能が正常に動くか確認します。

問題がなければ、ネームサーバーを新サーバーに切り替える手続きを行い、新サーバー側でSSL証明書を発行・設定してサイトのHTTPS化を完了させます。

5. 旧サーバーを解約する

データを無事移行できた後は、旧サーバーの解約手続きを行います。

旧サーバーはすぐに解約するのではなく、1ヵ月ほど新規サーバーと並行運用すると良いでしょう。

新しいサーバーで問題が生じた場合や、移行忘れがあった場合でも、すぐに対応できるためです。

新規サーバー上での運用が落ち着いた段階で、 旧サーバーを解約してください。

WordPressの移行先サーバーを選ぶポイント

WordPressの移行先サーバーを選ぶポイントには以下の3つが挙げられます。

実績の良いサーバーを選ぶ

サーバーの安定稼働とセキュリティは最優先事項です。

WAF(Web Application Firewall)や常時SSLに対応しているかを確認し、過去の障害情報が少なく稼働率の高い業者を選びましょう。

また、トラブル時にすぐ対応してもらえる手厚いサポート体制と、初心者でも使いやすい管理画面(コントロールパネル)があることも重要です。

実績の良いサーバーは、結果的にサイトの安全な運用と管理コストの削減に繋がります。

ドメイン利用の制約がない

現在使用している独自ドメインを新しいサーバーでも問題なく使えるかを確認しましょう。

移行後にドメイン利用数やサブドメインの設置に制約や追加料金が発生しないかチェックが必要です。

さらに、サイトのHTTPS化に必須となる無料SSL証明書(Let’s Encryptなど)をサーバー側で簡単に設定・自動更新できるサービスを選ぶと、手間と費用を削減できます。

表示速度・パフォーマンスが優れている

サイトの表示速度は、ユーザー体験とSEO評価に直結します。

移行先が、最新の高速化技術(例:高速なWebサーバーやキャッシュ機能)を採用しているかを確認しましょう。

また、アクセス集中に耐えられるよう、サーバーに十分なCPUやメモリのリソースが割り当てられているか、SSDを採用しているかも重要です。

公開されているベンチマークやユーザーレビューを参考に、高性能なサーバーを選択することがサイトの成長の土台となります。

WordPressを別のサーバーへ引継ぎする際の注意点

WordPressのデータ移行を実施する際は、注意すべきポイントがいくつかあります。

以下で、引継ぎする際の注意点を確認していきましょう。

必ずバックアップを作成する

WordPressの引継ぎを行う際は、必ずバックアップを作成してください。

バックアップを取得しておかないと、何か不具合が生じた際に対応できなくなってしまう可能性があるためです。

さらに、データを移行する際はバックアップファイルをアップロードする必要があり、バックアップ作成の手続きは必須と言えます。

「BackWPup」などのプラグインを利用すれば、バックアップファイルは簡単に作成できます。

移行先のサーバーでサイトが正常に機能するかテストする

バックアップファイルを新規サーバーにアップロードし、移行が完了した後は、必ずテストを実施してください。

上手くデータが移行できておらず、Webサイトが上手く表示されない可能性があります。

そのような状態で旧サーバーを解約してしまうと、不具合がある状態でWebサイトを公開する羽目になります。

メールアドレスにも注意する

サーバー移行元のドメインをメールアドレスに設定している場合、データの移行時にメールの送受信ができなくなる可能性があります。

重要なメールを確認できないなどの問題が生じてしまうため、メールサーバー関連の対応も速やかに行ってください。

WordPressを別のサーバーに引継ぎする際によくある質問

ここでは、WordPressの引継ぎに関するよくある質問について説明します。

WordPressを同じサーバーで移行する手順は?

WordPressのサイトでコピーサイトを作成し、カスタマイズを加えたいという人も見受けられます。

そういった場合は、同じサーバー内でのデータ移行が発生します。

まずは、WordPressのデータを複製してください。

その後、レンタルサーバーのデータベース管理ツールにおいて、複製したデータを移行するコピー先の設定を行うという流れです。

利用しているサーバーによって手順が異なる可能性があるので、不明点についてはサーバーに問い合わせてください。

WordPressのサーバー移行時にドメインをそのまま引継ぐことはできる?

はい、可能です。

WordPressのサーバーを移行しても、サイトのドメイン(URL)はそのまま使い続けることができます。

ドメイン自体を管理しているのはサーバーではなく「ドメイン管理会社」です。

移行作業では、新しいサーバーへすべてのデータを移した後、ドメインのネームサーバー設定を新しいサーバーのものへ切り替えることで、引き続き同じドメインでサイトを表示できます。

ただし、切り替えには時間差(反映時間)が発生します。

ドメインを引継ぐ際の詳しい手順や注意点については、下記の関連記事でご確認ください。

関連記事
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まとめ

今回の記事では、WordPressの引継ぎを検討している人に向けて、引継ぎすべき理由や具体的な方法、注意点などについて解説しました。

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